今日は台風です。特に関東圏の方々は早く帰りましょう!
深夜にかけて広い範囲が暴風圏になります。
勢力は多少衰えたようですが、まだ油断ならない大きさです。
Tが帰る時間にはどうなっているのか?Tです。
さて、昨日は何を書こうかと思ったかというと・・・

これと・・・

これを比較してみましょうかと。
白い方は《1993年製 Studio Pearl White》
もう一本は先日入荷した《2012 Studio カスタムカラー》
PRSに於いてStudioという機種の起源は古く、1988年に遡ります。

SSHのピックアップレイアウトが特徴的で、91年まではHot Vintage Treble(リア)とPRSオリジナルシングルコイル(フロント・センター)が搭載されています。
Studioは基本的にStandardと同じくオールマホガニーボディ、メイプルトップのモデルはStudio Mapletopというモデル名でした。
その後、このStudioはアップグレードパッケージとしてCustom,Standardで選択できるようになりました。
1993年製のパールホワイトの本機はそのStudio純系のオールマホガニーのStudio Packageです。
対してカスタムカラーのStudioは近年の機種なので説明も必要ないかもしれませんが、
Custom22が生産完了となり、いわばその後継機種と言えるギターとして登場しました。

ピックアップは57/08 Treble PU(リア)にNarrowfield PUをフロントとセンターに配し、
SSH的ともHHH的とも言えるギターとなっています。
Narrowfieldピックアップは57/08のワイヤーとマグネットを用い、ピックアップのサイズをぎゅっとコンパクトにすることでクリアでシャープなトーンを創出し、さらにハムPUの特性を活かしてノイズにも強いPUになっています。
《PUの外見的なサイズと音質》
PUの音質は巻かれているコイルワイヤーとマグネットによって変わるのはもちろんお分かりだと思います。
その他の要因として、同じターン数のシングルコイルを作る場合でも、ボビンの形状によっても音質傾向が変わります。
表面積が広い(=深さが浅い)と中低域が豊かな傾向のピックアップになります。(例:P-90やジャズマスターのピックアップ)
表面積が狭い(=深さが深い)と高域がシャープな傾向のピックアップになります。(例:ムスタングのピックアップ)
ほかにもジャガーのピックアップのようにヨーク(羽のような金具で、マグネットから出ている磁力線を弦の方へ向けます。高域が出る特徴的な音質になります)がついていたり、ブレードタイプであったり、ボビンを立てに2つ重ねた積層ハム構造のシングルコイルなんかもありますね。
SSH的なレイアウトの両機、どちらも非常に使いやすいギターです。
'93 Studioのほうは純粋なシングルコイルPUがフロントとセンターに配されており、これが良い♪
PRSオリジナルのシングルコイルはEG(SEではないオリジナル)に搭載されていた程度でほとんど搭載されていないレアPUなのですが、いわゆるビンテージ系ではなくパワーがありながら、ちゃんと適度な枯れ感があってすごく弾いていて楽しいピックアップです。
あまり搭載されていないのがもったいない!
しかもよく見てみると、面白いことにハムPUのボビンをそのまま使っています(笑)
対して現行Studioに搭載されているNarrowfieldはそのままで鳴らすと少しファットでパフっとした甘太い感じを持ったトーンです。テレキャスのフロントをすこしゲインアップした感じといえば近いでしょうか。
歪ませると、太さを保ちつつ適度にローがシェイプされた使いやすいサウンドです。
ところが、ボリュームを絞るとガラッと雰囲気が変わり、ビンテージ系に通じる少しイナタイ感じのシングルトーンに早変わり。
特に真空管アンプ等で大きい音量で鳴らしている場合はとても重宝します。
手元でコントロールが完結できるあたり、Studioの名前は伊達じゃないですね。

ブリッジ下部がザグられているのがわかるでしょうか。
これはTrem Up Rout(トレムアップルート)と呼ばれ、ブリッジ下部をザグることでアームアップの量を少しだけ増やすことができます。
このオプションも現在は注文できないオプションです
ブリッジは最後の時期のワンピースブリッジ。
この時期だと既にイナーシャブロックがネジ止めされた現行同様のブリッジが搭載されているものも多いです。

こちらは現行のStudio。
形状が全体的に角張って、イントネーションスクリューがブラスになっていたりと細かなパーツに変更が加えられています。

ノブとノブ下部のルーティング。
ノブは古いタイプのスピードノブ。
PRSのノブは3回ほど仕様が変わっています。
ビンテージはプラスティック製で途中からアクリル系の硬くて割れにくく、透明感の高いものに変更になっています。
それから2010年の後半くらいから、またマイナーチェンジが入り、更に透明感の高いタイプに変更されています。
詳しくはこちらの記事を御覧ください。
Blogの過去記事
ノブ下部の仕上げは丸く有機的な感じ。
1995年にファクトリーが移転し、機械化が進むにつれてこういったところが鋭角になっていきます。

Studioのノブはランプシェードノブと呼ばれ、513Rosewoodに採用されたのが始まりです。
丸いスピードノブに比べると引っかかりやすいので、こちらを好まれる方も多いですね。
ノブ下部のくぼみは鋭角な感じになっています。

ネックヒール。
いわゆるスモールヒールです。
年代を経るに従って徐々にヒールが大きくなっていきます。
このヒールの形状も手作業のため、個体差や年代によって差があります。

現行Studioのネックヒール。
22フレットのモデルは24フレットに比べてヒール部分が大きいです。

ヘッドアングル。
この頃の機種はヘッドアングルが浅くテンションが緩いのが特徴です。
ダウンチューニングをしたりするとダルダルになって厳しいですね。
ヘッドアングルが浅いと音にひろがりが出て明るくなり、アングルが深いとカチッとした音になる傾向にあります。

ダウンチューニングやドロップチューニング等、ミュージックシーンの変遷に追従する形で、ヘッドのアングルも年代を経てきつくなったのでしょう。
この画像で違いがわかるでしょうか^^;

最後にボディのアーチ。
全体的にマルーっとしていてなんだかエロティック♪
光のあたり方で色が変わって見えるのがまた良いですね。

'93 Studioに比べるとシャープでカチッとした雰囲気です。
ちょっと男性的になったとも言えるかもしれません。
どうでしたか?
ビンテージの特徴を備えるStidioと、最新スペックのStudio。
どちらもとても良いギターで、特にオンリーワンの両機。
こういうギターを持ってライブに行くと、「おっ!なんかヤリそうだぞこいつ!」と思われることまちがいなし。
まずは見た目のインパクトで先制攻撃を♪
さて・・・外は木の葉がざわざわ、風がピューピューとやばそうな音が鳴っています。
あー外に出るのが怖い(笑)
意を決して帰ります!
それではまた定休日明けの金曜日に・・・
タグ:PRS Studio
ますます、真空管アンプをプレゼントしなきゃならんと思えてきました(笑)
ということで、7月7日(土曜)にお店に遊びに行こうという計画です。
※PRS Sweet16 はなくても大丈夫です^^
コメントありがとうございます^^
楽しんで読んで頂けましたら幸いです♪
7日のご来店かしこまりました。
メールをお送りいたしましたので、お手すきの折にご確認くださいね。
それでは今後ともよろしくお願い申し上げます♪
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