関東もついに梅雨明け!アツい!
みなさまいかがお過ごしでしょうか。
Tでございます。
さてさて!
いつもたくさんのメンテナンス、リペア、モディファイ、セットアップのご相談ありがとうございます。
先日の初年度Swamp Ash Specialに引き続き、またもや非常に貴重なギターを手がけさせて頂きましたのでご紹介♪
※今回ももちろんオーナー様に了解頂いております^^ありがとうございます♪
ゆらゆら動く、かつくっきりなキルトトップ。
このルックスを見ただけで、マニアな方ならある程度の予想がつきますね。
ミニスイッチが付いているということは・・・そう、ヴィンテージPRS!
・・・って、、、タイトルに出ちゃってますけども(笑)
ヘッドを見れば一目瞭然!
P.R.S.氏直筆のサインが入ったヘッド・・・これはSignature(シグネチャー)です。
Custom24の上位モデル、というより初期PRSのフラッグシップモデル、最高峰のギターです。
ウイングペグってメカメカしくてかっこいいですよね!
オーナー様曰く、本機は日本に入ってきた最初のSignatureのうちの1本(と購入店さんに聞いた)だそうです。
1987年製ということで、Signatureナンバーも初期も初期、トートイズシェルカラーも初年度で、ナチュラルバインディングがありません。
当時学生だったオーナー様はこのギターに一目惚れし、その場でローンを組んで購入。
つまり新品購入のワンオーナー品です。
めちゃくちゃバイトしてローンを支払ったそうです。
およそ30年前、まだPRSを知っている人が日本にどれだけいたか・・・
今でこそ先見の明が〜とか言えますが、これだけ高額でかつ(まだ)無名なブランドのギターを購入するのはさぞかし勇気が必要だったことでしょう。
そんなギターが今でも愛され、しっかりと手入れされて、良いコンディションで使い続けられている。
素晴らしい!!
ギター冥利に尽きますね。ご用命頂くこちらも力が入るというものです^^
ヘッド裏にはシリアルナンバーとシグネチャーの通しナンバーが入れられています。
シリアルナンバーは今も変わらない「製造年 - 通し番号」。
Signatureの通しナンバーは「Sig #xxx」と、アンダーラインがあったりなかったりという感じです。
ネック材はホンジュラス・マホガニー。
バック材もホンジュラス・マホガニー。
どちらもうっとりするほど上質な材です。
密度感があって、硬く、かといって重すぎない。
こんな材は今や本当に貴重です。
ネックジョイントもビンテージPRSならではのスモールヒール。
塗装は極薄のラッカー仕上げ。
十分に退けて、マホガニーの導管がくっきり。
温かい手触りでホッとします。
指板はまっすぐ柾目で良く詰まったBrazilian Rosewood(ハカランダ)。
ツルツルで硬くて素晴らしい♪レモンオイルいらずなシットリ感です。
インレイは単層のアバロン。
当時はまだ精密な機械がなく、インレイのポケットとインレイの間に隙間があります。
指板とインレイの間に黒い充填剤の層が見えればオリジナルです。
本機はオーナーさんが大事に弾きこまれており、
フレットは数年前に他の工房さんで大きめなフレットにリフレットされています。
非常に丁寧な仕事です。
さて、ここからが今回のモディファイ内容。
このコントロール配列を見たら、普通に考えればボリューム、トーン、ミニスイッチがピックアップセレクターかな?と考えるところだと思います。
ところが!上画像のようにヴィンテージのPRSはボリューム、5wayロータリースイッチ、Sweet Switch(スイートスイッチ)となっています。
1985年のPRS社創業時から91年の途中まではこの仕様でした。
ちなみにSweet Switchはプリセットトーン「のようなもの」です。
通常のトーンはコンデンサで高域を落としていきますが、このスイートスイッチは特殊なブラックボックスがスイッチ裏についており、トーンとはひと味違った動作をします。
以前Blogにも書いたことがありましたね。
↓
http://bug.seesaa.net/article/426955021.html
キャビティ側から見るとこんな感じでついています。
サウンド的にはよく「ワウの半掛け」と表現され、ケロケロっとした、高域が残った中低域が削れないフェイズアウトサウンドのような感じになります。
なかなか特徴的なサウンドなのですが、通常のトーンのように連続可変的に変化が付けられないことと、完全に高域を絞ったトーンにはできないため、イマイチ現代的な音楽では使い勝手が悪いのですね。
(ゲイリー・ムーア的なフェイズミックスサウンド等を作るには絶大な効果を発揮します。)
今回のオーナー様のリクエストは、
「ボディに加工はせず、コントロールの機能向上をしたい!」
というものです。
それでは・・・と提案させて頂いたのが上記のモディファイ。
貴重なVintage PRSを出来る限りオリジナルに忠実に残したい。
でも使い勝手は良くしたい。
そうですよね。
ポイントは3つです。
「1」ボリューム、5wayロータリースイッチ、Sweet Switch、ジャック、配線材、コンデンサをまるまる交換することで、オリジナルパーツを正常な状態で保管できる。
「2」ボディ側には加工をしない
「3」オリジナルサーキットに戻したい時にはオリジナルどおりに元に戻せる。
この方法ならば、ボディ側に加工せずに交換ができ、オリジナルパーツも元気なうちに保管できます。
しかも、出来る限り配線も外さずにマルっと取り出しているので、戻す際にも最低限のハンダ付けで元に戻せます。
結果、見た目的には全く変わらずに使用感がアップ!
使い勝手は弊店の3wayコンバージョンキットやMcCartyサーキットと同じで、
6種類のPUのセレクションとトーンが使えるナイスなモディファイです。
更に!弊店の回路モディファイはお客さまのご希望に合わせて、秘密のサウンド調整をしてお渡ししています。
今回のモディファイ、とても喜んで頂けました!
サウンドバリエーションが増え、ボリューム、トーンを使った細かなサウンドメイクができるようになりました。
これからも愛用していってくださるとのこと。またメンテに来てくれるのが楽しみです^^
この《B.U.G.オリジナル 3wayコンバージョン ”Vintage PRS ver.”》も正式にリリースしようと思っておりますが、今すぐにモディファイしたい!という方は下の方のお問い合わせフォーム、もしくはお電話でお気軽にご相談ください♪
丁寧にご案内させて頂きます^^
いやー長い記事になってしまった!
ここまでお読み頂きありがとうございますm(_ _)m
明日は7月最後の日曜日。
夏休み前におニューのギターいかがっすかー!と店頭でお待ちしております。
それではまた明日!
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ローンの話は、自分のことのようです。当時は今より金利が高かったはずなので、さぞかし大変だったと思いますよ。
あとねぇ、オタクネタだけど、Signatureの通し番号の書き方は、もう少しバリエーションあるみたいよ(笑)
美しいですよね。
Vintage PRSは時期によって杢目の感じが違ったり、アーチが微妙に変わっていたり、PSとはまた違った美しさと楽しさがありますよね。
ボディバックのマホガニーの塗装の退けた感じなんてもうたまりませんね(笑)
昔のほうがローン審査は甘かったですが、その分支払うのは大変ですよね^^;
オーナーさんもだいぶ頑張ったそうですよ。
通しナンバーは初期は Sig Series #xxでしたよね。
他にはbuilt for ○○ と入っていたり。
他にもあったら教えて下さい♪
Tでございました。
そーなのよ。バックの塗装が年々凄いことになっていくのよ(笑)
通しナンバーはね、SIGNATURE #XX って書いてあるの見たことあるよ。
もしかしたら、SIGNATURE Series #XX だったかも。
86年製だったかな。
こんばんやべ。
そういえば俺、Signature持ってないかも...だなあ。
Signature Limitedなら、、、あるな。
しかもトレモロ仕様だったかな。
マニアックだ。(笑)
from Shigeura
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