Tでございます。
かねてよりご案内の通り、10月に入ってお店はお休みを頂いております。
BossはドイツのHoly Grail Guitar ShowへIHush Guitarsの井橋さんのアシストでドイツへ、
私達は普段できない作業を着々と進行中です。
それでは・・・
先日の記事で途中で力尽きたままに(笑)なってしまっているPS 20thの完全版です。
一度ご覧になっている方ももう一度どうぞ^^

美しいイーグルがヘッドにおられる方です。
バナーには「20th Anniversary」のエングレーブが。
続きはこちらですよ!!
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この方です(タイトルでまるわかりですが 笑)。
《PRS Private Stock 20th Anniversary Limited Edition》
2016年はプライベートストックが発足してから20年目にあたり、本機はそのアニバーサリーモデルということです。
世界限定40本の貴重なモデルです。
Thanks sold!
ここで少し歴史を遡って・・・
プライベートストックチームの歴史は、80年代の終わりから90年代の初頭、いわゆるPRS創生期に始まります。
一般のラインとは別に、ハイエンドなリミテッドモデルやDragonシリーズ、アーティスト向けのカスタムギターを製作する、「PRS Custom Shop」がその母体となっています。
また、このCustom ShopやPrivate Stockチームは開発チームとしての側面も担っており、
続々と登場する新モデル、新しいパーツ達、美しい新色は、このチームとPRS氏が主となり産み出されています。
1995年、Joe Knaggs氏を中心に上記の「PRS Custom Shop」が「Private Stock Team」へと移行し、現在に至ります。

話戻りまして、本機はPrivate Stockチーム20周年モデルということで、
これまでの技術の総集編という意味合いを持ち・・・と思ったら全くそんなことはありませんでした(笑)
(10th Anniversaryモデルは10周年の総集編という感じでしたね。)
新しい試みだらけ!初モノだらけ!
それでは、各セクションに分けて見ていきましょう。

トップはカーリーメイプルトップ。
本モデルのトップ材はPaul Reed Smith氏(以下、PRS氏)ご本人がハンドセレクトしています。
PRSのオフィシャルHPにもPRS氏がセレクトしている旨と合わせて、
「Deep, Wide-Curl Curly Maple Top」との記載があり、特別な基準で選んでいるのがわかります。

そう言われてみると、確かに氏の好む材の特徴が出ています。
くっきりしていて、少しグリッとうねる杢目。
Paul's28やVionlin Guitar、Dirty100も同じ雰囲気を持っていますね。
ちなみに通常のPSは、特に指定がない限りはPSチームがリクエストに沿ってコーディネートしていきます。
もちろん素晴らしい材ばかりですし、チームの目利きが行うので通常のセレクトでも安心ですが、
やっぱりPRS氏が選びだした材は格別です。

こんな感じで材を濡らして杢目の出方を確認しつつ、サウンドも考慮して選び出していきます。
PRS氏は材を選ぶのが速い!しかも的確に良い材を抜き出していくので、いつもびっくりしてしまいます。

上記のトップ材にマッチングさせたボディバックはリボン杢の出たアフリカンマホガニー。
見る角度でキラキラ表情が変わる美しい材です。
アフリカンマホガニーはホンジュラスやサウスアメリカンマホガニーに比べると比重が軽く、
音も柔らかい傾向にあります。
本機のようにリボン杢の出る方向(= 柾目や追柾目)に取ることで、サウンドにコシを持たせるように組み合わされているのかな、と感じます。

上の写真は、PS #5561 Paul’s Graphite Guitar(画像上)と並べて比較した画像です。
この20th Anniversary Limitedは、ボディ厚が通常のカスタムよりほんの少し厚くなっています。
更に厚みの割合も変更しており、カスタムに比べて、トップのメイプルをほんの少し(1/16inch)薄く、バックのマホガニーを厚く(1/8inch)設計しています。
ギターの傾きの関係で、メイプルもGraphite Guitarより厚く見えますが(笑)、
マホガニーは20th Anniversaryが厚みがあるのがわかりますね。
これにより、より太さと暖かみのあるサウンド傾向になっています。
また、ストップテールのGraphite Guitarとトレモロの20th PSではネックの挿入角が違うのがわかります。
・ストップテールのGraphite Guitarはネックが若干ボディバック側(で、伝わるかな?)に傾いていて、ボディと弦の距離がブリッジに向かって離れていきます。
・対してトレモロの20th PSはネックとボディが並行に近く、ボディと弦の距離が近いです。
ギターを構えたときの1フレットの位置が結構変わってくるので、トレモロの有無以外にも、
フィッティングの良さも基準にしても良いですね。

ネックもボディバックと同じくマホガニー。
ですが、全然表情の違う材が使われています。
黒い筋が長く伸びていて、色も濃い目。
指でタッピングすると「カンカン、コンコン」と硬くて高い音がします。
本機は弦長(スケール)も特別で、24.6inch(=624.8 mm)を採用しています。
PRS氏こだわりのこのスケール、軟らかすぎず硬すぎず、非常にスムースなテンション感です。

ヘッド裏。
PRS氏のサインと、PSチームの責任者、Paul Miles氏のサインが入ります。
他には通しで入るシリアルナンバー、PSナンバー、完成時のデイト(2015/12/3完成)、
「20th Anniversary LTD」の文字が書かれています。
意外と知られていませんが、PSオーダーの際に、この部分に何を書くかを選択ができます。
必須の項目はシリアルナンバーのみで、その他はある程度リクエストができます。
例えば・・・
・Paul Miles氏のサイン(有り、無しどちらも可)
・Paul Reed Smith氏のサイン(有り、無しどちらも可)
・PSナンバー(通常入りますが、なくても可。任意のナンバーの指定はできません。)
・完成時のデイト(同上、デイトの指定はできません)
・Special built for ○○ (要リクエスト)
各種アニバーサリーの記述もできますので、なにかの記念にオーダーなんていうのも素敵ですね♪

ぐるっと回ってヘッドのイーグルのアップ。
本モデルのイーグルは「Crushed Abalone」のセンターをマザーオブパールで巻いています。
宝飾品にも使われる技法で、細かく砕いたアバロンを固めることで、
一枚物のシェルとはまた違った、キラキラ輝く美しい仕上がりとなります。
日本の螺鈿細工にも通ずる物がありますね。
バナーには「20th Anniversary」の文字がエングレーブされている特別仕様。
非常に細やかな仕事がされています。

指板のバードインレイもイーグルと同じように、クラッシュドアバロンとマザーオブパールのコンビネーション。
指板材はマダガスカルローズウッド。
外周をカーリーメイプルの美しいバインディングが取り巻いています。

サイドから。
フレットタング(足)が見えないようにきれいに細工されています。

エレクトロニクスに参りまして、、、
ピックアップはNarrow408 のTreble & BassのセットにNarrowfieldのセンター。
パッと見はHSHっぽいのですが、実際はハムバッカー3発です。
Paul's Guitarはパキっとした音の立ち上がりと倍音の重なりが美しいギターですが、
それに比べると本機はもう少し音が太く、オールマイティに使えるバランスの良いサウンドです。

コントロールはシンプルなボリューム、トーン、5wayブレードスイッチ。
5wayブレードスイッチの位置がこれまでにない位置になっています。
これはストラトの位置に近い感じになっています。
※ 一応、PRSの公式としては "The 5-way blade switch and control placements also nod the Golden Eagle’s original electronics layout."となっていますが、レイアウト的にはゴールデンイーグルはもう少し後ろ側にスイッチがついています。



さて、やっとこブリッジ!
このブリッジは「GEN III Tremolo Bridge with Locking Saddle」と名付けられています。

これまでのブリッジとの大きな違いはここです。
サドルの高さ調整用のイモネジの乗る部分に落とし込みがされており、イモネジが3点でしっかり接地するようになっています。
ブリッジ取り付けネジの形もリファインされ、やや太く、ネジ頭も切り欠きの部分も大きくなっています。
また、ブリッジ側の取り付けネジ穴のナイフエッジ部分の精度も高くなっています。

本機に初搭載されたブラスロッキングサドルを外してみました。
サドルの形とイモネジが存在感ありますね。

違う角度から。
ノーマルなサドルと同じように弦を通し、後ろからイモネジで締めてロックします。
ロッキングチューナーと同じ止め方のイメージです。

裏返すとこんな感じ。
PRSの純正サドルは裏から肉抜きされていますが、このサドルはソリッドです。
表面にネジの溝が切られているので、それほど重量はありません。
このロックサドル、随分前からPRS氏の構想にはあったようで、
だいぶ前にこのプロトタイプを見たことがありました。
これです(わかるかな。。)
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引いてみると・・・
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PRS氏が弾くこのギター。
見覚えのある方もいらっしゃるかもしれません。
これは、2011年に開催された「Experience PRS in Japan2011」の画像です。
ライブでPRS氏が弾いていたこのギターはSignature Limitedのプロトモデル。
この実機に搭載されていたのが、ロッキングサドルの原型と思われるものでした。
後ろ側からイモネジで止める機構は変わっていません。
そのプロトモデルのお姿やサウンドはYoutubeの動画でも見ることができます。
約5年の期間を経て、やっとお目見えしたこのブリッジ&サドル。
PRS氏の情熱の結晶といえるでしょう。
ちなみに、GenIIIトレモロは58/15Limitedにも搭載されていますが、
ロッキングサドルは市販化の予定は今のところありません。
材をPRS氏が選んだ材、独自のボディ厚に独自ネックスケール、PRS氏が暖めてきたロッキングブリッジ、Paul's Guitarにも搭載されている408Narrowピックアップ・・・
PRS氏の遺伝子がバッチリ注ぎ込まれたモデル!
アニバーサリーモデルとしての価値もバッチリですし、太鼓判の一本ですよ^^
コレクションにも良いですし、弾いてもバッチリ。
見つからなくなってからでは遅いです。
ご検討くださいね♪
ちなみに弊店ギャラリーページはこちらから♪
⇒Bottom's Up Guitars オフィシャルHP ギャラリーページ
次はPaul's Graphite Guitarかな?(未定)
それでは皆様、また11月に!(ちゃんと10月中に更新します 笑)
Tでした。
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