おはようございます。
Tでございます。
今日は夏季休業2日目。
読み物第2弾です^^
前回の記事では、Paul Reed Smithさんが会社を設立するまでを書いたわけですが、
今回は、
「初期のPRS、いわゆるビンテージと呼ばれるPRS」
について見てと思います^^
これも詳細を書き出したらとてつもない量になってしまうので、主だったところを抜粋。
初期のスペックを備えたPRSの年代とは
PRSのギターは製作時期によって分けられます。
●1985年のPRS社発足以前のモデル( = Pre Factory期)
●1985年〜1991年までのモデル
●1991年〜1995年までのモデル
●1995年以降のモデル
ざっくり分けると、上記の4世代に分けられます。
今回の記事で取り上げるのは上から2番目、1985年から1991年までのモデルです。
モデルさんはこの方、
「 1986年製 Custom24 Tobacco Sunburst 」
んー美しい。
ちょっと補足。
1985年発足当初はPRS社のラインナップは下記の3種しかありませんでした。
・PRS Guitar (= PRS Standard)
・PRS Custom(= PRS Custom24)
・PRS Metal (= Standardにメタリックなピンストライプを描いたスペシャルモデル)
上記の記載からも、PRS社のメイン機種はStandardだったことがわかります。
(その後も「スタンダード」という名前がついているので名前通りなのですが)
なお、24フレットモデルしか存在しない時代なので、いずれも「24」はつきません。
1985年発足当初はPRS社のラインナップは下記の3種しかありませんでした。
・PRS Guitar (= PRS Standard)
・PRS Custom(= PRS Custom24)
・PRS Metal (= Standardにメタリックなピンストライプを描いたスペシャルモデル)
上記の記載からも、PRS社のメイン機種はStandardだったことがわかります。
(その後も「スタンダード」という名前がついているので名前通りなのですが)
なお、24フレットモデルしか存在しない時代なので、いずれも「24」はつきません。
更に補足。
1986年から新たに「Signature(シグネチャー)」というモデルが追加になります。
Signatureの特徴は以下の通りです。
・限定1000本(当初からではなく、1000本で終了にした、とのこと。)
・Customの上位モデルという位置づけ。
・その名の通りヘッドロゴがPRS氏の手書きサイン
・ヘッド裏にはシリアルとシグネチャーナンバー
・最上級のセレクトした木材を使用
Signatureは現在のPrivate Stockにも通じますが、この時代の個体はそれ以外のモデルもどれも素晴らしく、
Customでも「これSignatureでもよくない?」という個体がたくさんあります(笑)
1986年から新たに「Signature(シグネチャー)」というモデルが追加になります。
Signatureの特徴は以下の通りです。
・限定1000本(当初からではなく、1000本で終了にした、とのこと。)
・Customの上位モデルという位置づけ。
・その名の通りヘッドロゴがPRS氏の手書きサイン
・ヘッド裏にはシリアルとシグネチャーナンバー
・最上級のセレクトした木材を使用
Signatureは現在のPrivate Stockにも通じますが、この時代の個体はそれ以外のモデルもどれも素晴らしく、
Customでも「これSignatureでもよくない?」という個体がたくさんあります(笑)
ハカランダ指板
この年代のなんといっても特徴的なスペックは、
「ハカランダ(Brazilian Rosewood)指板」!
年によって色が黒いもの、茶色いもの、真っ直ぐなもの、木目グリグリなものと様々ですが、基本的にハカランダ指板が使用されています。
ここでもちょっと補足。
1985年だけはハカランダ指板が「推奨」のオプションでした。
実際はほとんどの個体がハカランダ指板ではないかと思います。
それと、88年からメイプルボルトオンのCEがラインナップに追加されますが、CEに使用されているのはインディアンローズウッド指板です。
1985年だけはハカランダ指板が「推奨」のオプションでした。
実際はほとんどの個体がハカランダ指板ではないかと思います。
それと、88年からメイプルボルトオンのCEがラインナップに追加されますが、CEに使用されているのはインディアンローズウッド指板です。
指板繋がりでもう一つ、バードインレイも。
上の画像をアップにして見てもらうとわかると思うのですが、
インレイと指板の境目に黒い層があるのがわかるでしょうか?
これは当時、今ほど高精度のルーティングができず、インレイと指板の隙間を黒のグルーで埋めてあるからです。
現在の隙間なくピッチリ入ったインレイもキレイですが、この隙間を見ると、当時の苦労が見て取れるようで微笑ましいですよね。
スモールヒール
↑ビンテージPRSはネックヒールが現行モデルにくらべて小さいです。
↑こちらが現行モデル。
明らかに現行モデルのほうがヒールが大きいです。
ヒールのサイズはいつからガラッと変わっというわけではなく、年代が進むにつれて徐々に大きくなっていきます。
ヘッドロゴとチューナー
この時期のヘッドロゴはシールタイプの「デカール ロゴ」です。
1994年頃まで続くこのロゴはトップコートの下にあるので、磨いたりしても消えることはありません。
デカールロゴは1985、86年とそれ以降でほんの少し違いがあります。
それはロゴの後ろにつくマーク。
画像のロゴは「TM(Trade Mark)」、これ以降は「R(Registered Trademark = 登録商標)」に変更されます。
「TM」マークはごく初期のモデルの特徴となっています。
それはロゴの後ろにつくマーク。
画像のロゴは「TM(Trade Mark)」、これ以降は「R(Registered Trademark = 登録商標)」に変更されます。
「TM」マークはごく初期のモデルの特徴となっています。
チューナーは「PRS Original Locking Tuner」と呼ばれます。
Schaller社の 「M6チューナー」 がベースとなっています。
ヘッドトップ側の黒い羽根のようなパーツ(実際にwingと呼ばれます)の溝に弦を通してロックする仕組みです。
ヘッド裏からチューナー1個につき1本のネジで固定されていますが、
3弦と4弦はスペースの関係で、共通のネジ1本で止められています。
このオリジナルチューナーは、1997年まで使われ、1998年からは「Low Mass Locking Tuner」に変更されます。
PRS Original TunerはSchaller M6 Tunerと互換性があります。
その後のLow Mass Locking TunerはSchaller M6 ”mini” Tunerと互換性があります。
※Schallerのチューナーはモデルの中でもネジ位置が違う品番があるので注意です。
その後のLow Mass Locking TunerはSchaller M6 ”mini” Tunerと互換性があります。
※Schallerのチューナーはモデルの中でもネジ位置が違う品番があるので注意です。
PRS トレモロユニット
トレモロユニットの基本設計は現行モデルでも”ほぼ”変わっていません。
それだけ優れたデザインになっています。
変更点は以下。
●1985年〜91年頃まではブリッジプレートとイナーシャブロックが一体になった設計(ブラス製、ニッケルメッキ)
●1992年頃からブリッジプレートとイナーシャブロックがボルト止めになります。(イナーシャブロックのみ非メッキのブラス製)
●2016年よりGEN III トレモロブリッジに変更 (⇒ 参考: ブログ記事はこちらから)
イナーシャブロックはほとんどがブラス製ですが、仕様変更した92年頃には実験的にアルミニウムやスチール製のブロックが使われているレアな個体もあります。
また、DC3や2011年以降の305はイナーシャブロック、サドル、ネジ類がスティール製の「Steel Components」が採用されています。
※2011年に書いた記事「NF3/DC3解体新書」では両モデルともSteel Componentsが搭載されていました。
また、DC3や2011年以降の305はイナーシャブロック、サドル、ネジ類がスティール製の「Steel Components」が採用されています。
※2011年に書いた記事「NF3/DC3解体新書」では両モデルともSteel Componentsが搭載されていました。
コントロール類
この時期のPRSのもう一つの大きな特徴がこのコントロール。
ノブが2つにミニスイッチが1つ。
普通に考えたらこれは「マスターボリュームとマスタートーンとピックアップセレクターか?」と思いますよね。
ところが、このサーキットの場合は、
マスターボリューム(PU近くのノブ)、5wayロータリースイッチ(もう1つのノブ)、Sweet Switch(ミニスイッチ)という構成です。
ごく少数、ファクトリーオリジナルの状態でトーンが付いている個体もありますが、現在見られるトーンが付いた個体のほとんどは後で交換されたものです。
ボリュームと5wayロータリースイッチ(PUセレクター)はちょっとPRSを知っている方ならわかると思いますが、
Sweet Switchとはなんぞや?という方も多いと思います。
ものすごく乱暴に言えば、スイートスイッチはプリセットトーン「に、近い」機能です。
なぜ「に、近い」と言うかというと、このスイートスイッチをonにすると、
高域を若干丸くして、中高域を少し持ち上げた感じ、といえば良いでしょうか、
「ワウを半掛けしたような」とか、「クワックワッという音」とか表現されるような音になります。
Sweet Switchの当時の説明には・・・
「このスイッチをonにすることによって、オールドP.A.F.ライクなサウンドになるぜ!」
とあるのですが、、、本当にそうかは個人の判断におまかせします(笑)
また、個体によって効きがかなり違い、全くかかっている感じのしない個体もあります。
「このスイッチをonにすることによって、オールドP.A.F.ライクなサウンドになるぜ!」
とあるのですが、、、本当にそうかは個人の判断におまかせします(笑)
また、個体によって効きがかなり違い、全くかかっている感じのしない個体もあります。
このコントロールレイアウトも91年を以て変更になります。
以降長く採用されることになる、マスターボリューム、マスタートーン、5wayロータリースイッチの構成になります。
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今回の「その2」では、ここまで!
ざっくり外観をみてビンテージPRSの特徴が見られるのはこれくらいかな、と思います。
他にもボディの厚みやアーチの形状やネジの形状やPUリングやナットの形状や溝の切り方やヘッド角や・・・と挙げたらキリがないほどあります。
その辺りは実際に手に入れて、チェックしてみてください^^
PRS氏の元に集った腕利きのビルダーたち。
今よりずっと機械が少ないなかで、これだけのクオリティのギターを製作していたというのは驚愕です。
人の手で作られたからこその特徴や性格が随所に見られるこの時代のギターは、
希少性や価値はもちろんのこと、「職人の手から生み出されたギター」として非常に魅力的です。
ちょっとでも伝わるといいなあ、と思います^^
ところで・・・
今日の記事を読んで、『塗装』について触れられていないと気付いた貴方は、そうとうPRSに精通しているユーザー様ですね。
(ラッカーフィニッシュ or ポリフィニッシュ)?? という話は少し難しい問題をはらむので、今は記述していません。
今度またお話し出来ればと思います(^^)
あまりにもたくさん扱っているので、Blog記事も探しきれないほどあるのですが(課題ですね。。)
下の記事も一緒に読むと楽しさ倍増だと思いますよ♪
《一緒に読むと面白い(かもしれない)記事》
※多分他にも色々あります。カテゴリの「PRS関連Talk」を参照ください^^
⇒ PRS Custom24 アーチ?アール?カーブ?
⇒ 垂涎!新品販売時よりも美しい! PRS Private Stock Custom24 [1985 reproduction]Vintage Yellow 詳述 画像多数あります。
⇒ 時間だけが創り得る存在感! 1994 Custom24 10Top / Bird -Royal Blue-
⇒ 【#セットアップ #メンテナンス】久しぶりに80年代のポールリードスミスがご来店。PRS "1985" Custom (24) Vintage Yellow Original 弦交換 with R.Cocco 10-46. {Wiki的な製品解説も少々}
⇒ Vintage PRS をモディファイ! 〜1987 Signature Tortoise Shell〜
これだけあれこれPRSについて載ってるブログって世界中見渡してもあるんだろうか・・・というボリューム。
これでも取り扱ったギターのほんの一端だと思うと、物凄い宝物ですね。
それではまた次回をお楽しみに^^
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